個人

湯川秀樹

Hideki Yukawa

1907年生まれ・1981年没

  • 1949年 物理学賞

何をした人か

原子核をまとめる力を説明するため、未知の粒子「中間子」の存在を理論から予言した物理学者。

受賞理由のやさしい要約

1949年 物理学賞(単独受賞)

陽子と中性子を原子核の中に結びつける力(核力)を理論的に考え、その力を伝える粒子として中間子の存在を予言したことが評価されました。日本の研究者として初めての受賞です。

公式の受賞理由(英語)
for his prediction of the existence of mesons on the basis of theoretical work on nuclear forces

何が新しかったか

力は粒子をやりとりすることで伝わる、という考え方を核力に当てはめ、力の届く範囲の短さから粒子の重さを見積もりました。理論から新しい粒子を予言し、のちに実験で見つかったことは、素粒子物理学の考え方を方向づけました。

私たちの生活や社会とのつながり

敗戦後まもない時期の受賞は、国内で科学への関心を高めたといわれます。湯川は核兵器の廃絶を訴える科学者の運動にも参加し、科学と社会の関係を考え続けました。

関連する受賞者・団体

  • ニールス・ボーア編集上の関連

    原子の内部をどう説明するかという問いを、ボーアは電子の状態から、湯川は原子核をまとめる力から考えました。

  • ヴェルナー・ハイゼンベルク編集上の関連

    湯川秀樹が見いだした粒子に「メソトロン」という名が提案されたとき、ギリシャ語の「mesos」に「tr」はないと指摘したのがハイゼンベルクで、名前は「メソン(中間子)」に改められました。量子力学と中間子論という、原子の内側を探る2つの理論を結ぶ小さなエピソードです。

  • 朝永振一郎編集上の関連

    朝永と湯川秀樹は、1929年に京都帝国大学の物理学科をともに卒業した親しい友人でした。同じ大学で学んだ2人が、のちにそれぞれノーベル物理学賞を受けています。

  • 北川進編集上の関連

    北川は学生時代に湯川秀樹の本を読み、そこで紹介されていた古代中国の思想家・荘子の考えから、「無用の用」を研究の指針にしてきました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Hideki Yukawa)
  2. 1949年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
  3. Werner Heisenberg – Biographical – NobelPrize.org
  4. Hideki Yukawa – Facts - NobelPrize.org
  5. 京都大学 湯川秀樹・朝永振一郎博士 生誕百年記念事業 記念基金 よびかけ(kyoto-u.ac.jp)
  6. 京都大学 湯川秀樹・朝永振一郎博士 生誕百年記念事業 事業案内(kyoto-u.ac.jp)
  7. Statement: The Russell-Einstein Manifesto(pugwash.org)
  8. Nobel Prize in Physics 1949 - Presentation Speech - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。