個人
ピーター・メダワー
Peter Brian Medawar
1915年生まれ・1987年没
何をした人か
皮膚の移植が拒絶されるしくみを研究し、マウスの実験で後天的な免疫学的寛容を確かめた動物学者です。リオデジャネイロに生まれ、イギリスで研究しました。
受賞理由のやさしい要約
1960年 生理学・医学賞(賞の1/2)
後天的な免疫学的寛容の発見が評価され、フランク・マクファーレン・バーネットとの2人で受賞しました。バーネットが理論から予言していたことを、メダワーと共同研究者たちが、子ウシの双子やマウスを使った移植の実験で初めて裏づけました。
同じ年・部門の共同受賞:フランク・マクファーレン・バーネット
公式の受賞理由(英語)
for discovery of acquired immunological tolerance何が新しかったか
第二次世界大戦の初めごろ、人の皮膚を別の人に移植してもなぜ定着しないのかを調べるよう依頼され、移植片への反応が免疫の現象であることを示しました。その後、母親の胎内にいるマウスの胎児に別の個体の組織を入れておくと、大人になってからその組織と同じ型の移植片を受け入れることを確かめました。胎児期に組織を入れなかった場合、この移植はうまくいきませんでした。
私たちの生活や社会とのつながり
この成果は臓器移植にとって意味を持つものでした。1960年の授賞式の演説では、人工的につくった寛容が生物学の研究に役立つ道具になったことや、2人の仕事ががん研究や遺伝学にも貴重な道具をもたらしたことが紹介されています。一方で、移植医療に生かすには大きな技術的困難を乗り越える必要があるとも述べられていました。 [根拠 4]
関連する受賞者・団体
- フランク・マクファーレン・バーネット同じ賞の共同受賞
1960年の生理学・医学賞をともに受けました。
- ニコ・ティンバーゲン編集上の関連
ティンバーゲンの自伝によると、オックスフォードの小さな研究グループが最初の10年間の資金を得られるよう、メダワーがナフィールド財団に働きかけました。研究分野の違う受賞者が、動物行動学の研究の場づくりを後押ししていたことがわかる組み合わせです。
- 坂口志文編集上の関連
メダワーのマウスの実験の結果は、臓器移植にとって意味を持つものでした。2025年の坂口志文らの発見についても、より成功率の高い移植につながる可能性が示されています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Peter Medawar)
- 1960年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Peter Medawar – Facts - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1960 - Presentation Speech - NobelPrize.org
- Peter Medawar – Biographical - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。