個人
坂口志文
Shimon Sakaguchi
1951年生まれ
何をした人か
免疫が自分の体を攻撃しないよう抑える「制御性T細胞」を見つけた、大阪大学の免疫学者です。
受賞理由のやさしい要約
2025年 生理学・医学賞(賞の1/3)
免疫が自分の体を傷つけないようにする「末梢性免疫寛容」に関する発見が評価されました。マウスの自己免疫の病気に関わる遺伝子Foxp3を見つけたメアリー・ブランコウ、フレッド・ラムズデルとの3人での受賞です。
同じ年・部門の共同受賞:メアリー・ブランコウ、Fred Ramsdell(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries concerning peripheral immune tolerance何が新しかったか
当時は、自分を攻撃しうる免疫細胞が胸腺で取り除かれることで免疫の寛容が生まれる、という考えが主流でした。坂口はその流れに逆らって研究を続け、1995年に免疫を抑える新しい種類のT細胞を報告しました。2001年にFoxp3遺伝子が見つかると、その2年後、この遺伝子が自分の見つけた細胞の発生を制御していることを証明しました。
私たちの生活や社会とのつながり
受賞発表は、これらの発見ががんや自己免疫疾患の治療法の開発を促し、移植の成功にもつながりうると述べています。発表の時点で、そうした治療法のいくつかは臨床試験の段階にありました。研究者たちは、がんでは腫瘍を守る制御性T細胞の壁を崩す方法を、自己免疫疾患では逆にこの細胞を増やす方法を探っています。 [根拠 3・4]
関連する受賞者・団体
- メアリー・ブランコウ同じ賞の共同受賞
2025年の生理学・医学賞をともに受けました。
- ピーター・メダワー編集上の関連
メダワーのマウスの実験の結果は、臓器移植にとって意味を持つものでした。2025年の坂口志文らの発見についても、より成功率の高い移植につながる可能性が示されています。
- 本庶佑編集上の関連
坂口は免疫を抑える細胞を、本庶は免疫細胞のブレーキとして働くたんぱく質を見つけました。免疫をどう抑え、どう解き放つかという同じ問いを、自己免疫とがんの両面から照らす組み合わせです。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Shimon Sakaguchi)
- 2025年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Press release: The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2025 - NobelPrize.org
- Nobel Prize in Physiology or Medicine 2025 - Popular information - NobelPrize.org
- Shimon Sakaguchi – Facts – 2025 - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。