個人

ヴォルフガング・パウリ

Wolfgang Pauli

1900年生まれ・1958年没

  • 1945年 物理学賞

何をした人か

原子の中の2つの電子が同じ状態をとれないという「排他原理」を見つけた、オーストリア生まれの理論物理学者です。

受賞理由のやさしい要約

1945年 物理学賞(単独受賞)

排他原理、別名パウリの原理の発見が評価され、単独で受賞しました。排他原理は、原子の中の電子の配置をめぐる研究が進むなか、1925年に示された自然の新しい法則です。授賞式にはパウリ本人が出席できず、賞はアメリカ合衆国公使館の代理公使が代わりに受け取りました。

公式の受賞理由(英語)
for the discovery of the Exclusion Principle, also called the Pauli Principle

何が新しかったか

パウリは、電子の状態を決めるには一般に4つの量子数が必要だとし、完全に決まった1つの状態には電子が1個までしか入れないと唱えました。4つ目の量子数が示す電子の性質は、ほかの物理学者たちによって「スピン」として解釈されました。この原理で原子の電子配置が十分に理解できるようになり、のちに陽子や中性子にも当てはまることがわかりました。

私たちの生活や社会とのつながり

排他原理は、元素ごとの物理的・化学的な性質を理解するのに欠かせず、金属が電気を通すしくみや物質の磁気的な性質の説明にも必要とされます。伝記によれば、放射性のベータ崩壊でエネルギーを運び去る電荷のない粒子、ニュートリノの存在を最初に予想したのもパウリでした。

関連する受賞者・団体

  • ニールス・ボーア編集上の関連

    ボーアの原子模型で電子に割り当てられた量子数に、パウリは新たに2つの数を加えて排他原理を立てました。パウリは学位を取ったあと、コペンハーゲンのボーアのもとで1年を過ごしています。

  • ポール・ディラック編集上の関連

    パウリの排他原理には4つ目の量子数が必要で、それは電子のスピンとして解釈されました。ディラックの相対論的な理論では、そのスピンが仮定ではなく理論の帰結として現れました。

  • 梶田隆章編集上の関連

    ニュートリノは、ベータ崩壊でエネルギーが保存されることを説明しようとして、1930年にパウリが存在を提案した粒子です。梶田らの観測は、その粒子に質量があることを示しました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Wolfgang Pauli)
  2. 1945年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
  3. Wolfgang Pauli – Facts - NobelPrize.org
  4. Nobel Prize in Physics 1945 - Presentation Speech - NobelPrize.org
  5. Wolfgang Pauli – Biographical - NobelPrize.org
  6. Press release: The 1995 Nobel Prize in Physics - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

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