個人
リチャード・セイラー
Richard H. Thaler
1945年生まれ
何をした人か
人の判断のくせを経済学に取り入れ、行動経済学を発展させた経済学者。
受賞理由のやさしい要約
2017年 経済学賞(単独受賞)
行動経済学への貢献が評価されました。単独での受賞です。人は限られた合理性しか持たず、公平さを気にかけ、目先の誘惑に負けやすいといった心理的な特徴を、経済の分析に体系的に取り入れたことが評価の中心です。
公式の受賞理由(英語)
for his contributions to behavioural economics何を問い直したか
お金に色をつけて別々に管理してしまう「心の会計」や、自分が持っている物を高く評価しがちな傾向などを示しました。人の判断のくせを前提に、より望ましい選択がしやすくなるよう選択肢の示し方を工夫する「ナッジ」の考えを広めました。
私たちの生活や社会とのつながり
年金に初めから加入した状態にして、望む人だけが抜けられるようにする仕組みなど、ナッジは各国の政策に取り入れられています。一方で、人を誘導することの是非をめぐる議論もあります。
関連する受賞者・団体
- ハーバート・サイモン編集上の関連
2017年の経済学賞の解説は、サイモンが人や組織の認知の限界をまとめて「限定合理性」という概念にしたと紹介しています。セイラーの心の会計の理論は、その限界の一例として挙げられています。
- ジョン・ナッシュ編集上の関連
ナッシュ均衡の合理的な解釈は、プレーヤーが合理的に考えることを前提にしています。セイラーは、人が完全には合理的にふるまわない傾向に注目して経済の判断を分析しました。
- ジョージ・アカロフ編集上の関連
市場がうまく働かない理由を、情報の差と人の判断のくせという、異なる面から考えました。
- ダニエル・カーネマン編集上の関連
人の判断のくせを経済の分析に取り入れた点で通じます。心理学の実験と、その政策への応用という流れで読み比べられます。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Richard H. Thaler)
- 2017年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
- The Prize in Economic Sciences 2017 - Press release - NobelPrize.org
- The Prize in Economic Sciences 2017 - Popular Science Background: Easy money or a golden pension? Integrating economics and psychology - NobelPrize.org
- Scientific Background on the Prize in Economic Sciences 2017(nobelprize.org, PDF)
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。