個人
チャールズ・タウンズ
Charles Hard Townes
1915年生まれ・2015年没
何をした人か
誘導放出で電磁波を増幅する装置「メーザー」を考え出し、同じ原理が光でも働くことを示したアメリカの物理学者です。
受賞理由のやさしい要約
1964年 物理学賞(賞の1/2)
量子エレクトロニクスの分野での基礎的な研究と、それがメーザーとレーザーの原理による発振器や増幅器の実現につながったことが評価されました。ニコライ・バソフ、アレクサンドル・プロホロフとの3人での受賞です。メーザーとレーザーは、それぞれマイクロ波と光の、集中して波のそろったビームをつくり出します。
同じ年・部門の共同受賞:Nicolay G. Basov(未収録)、アレクサンドル・プロホロフ
公式の受賞理由(英語)
for fundamental work in the field of quantum electronics, which has led to the construction of oscillators and amplifiers based on the maser-laser principle何が新しかったか
戦時中のレーダー研究で培ったマイクロ波の技術を分子の分光研究に生かし、1951年にメーザーを着想しました。アンモニアのガスを使った装置で、1954年初めに誘導放出による電磁波の増幅と発生に成功しました。1958年には義理の兄弟アーサー・ショーローとともに、この原理が光や赤外線でも使えることを理論的に示し、レーザーへの道を開きました。
私たちの生活や社会とのつながり
その後は電波天文学や赤外線天文学にも取り組み、星間空間で複雑な分子を見つけたり、私たちの銀河の中心にあるブラックホールの質量を測ったりしました。アメリカ大統領の科学諮問委員会の副委員長や、人類の月面着陸に向けた諮問委員会の委員長も務めました。
関連する受賞者・団体
- アレクサンドル・プロホロフ同じ賞の共同受賞
1964年の物理学賞をともに受けました。
- デニス・ガボール編集上の関連
授賞式の演説によると、ホログラフィーが大きく前進したのは、光源としてレーザーが使えるようになってからでした。タウンズは、メーザー・レーザーの原理による発振器や増幅器につながった量子エレクトロニクスの研究で、1964年に物理学賞を受けています。
- アーノ・ペンジアス編集上の関連
タウンズはかつてベル電話研究所の技術スタッフで、レーダーのマイクロ波技術を分光研究に生かし、のちに電波天文学にも取り組みました。ペンジアスは同じ研究所でつくられた高感度の受信装置で、宇宙からのマイクロ波をとらえました。
- ドナ・ストリックランド編集上の関連
タウンズはレーザーの原理を示した一人です。ストリックランドは、レーザーのパルスを時間的に引き伸ばしてから増幅し、再び圧縮することで、短く強いパルスをつくる方法を開きました。
- アンドレア・ゲズ編集上の関連
タウンズはチームとともに、私たちの銀河の中心にあるブラックホールの質量を測りました。ゲズは銀河中心をめぐる星の軌道を追って、そこにある超大質量の天体を突き止めました。銀河の中心という同じ謎に、別の方法で迫った2人です。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Charles H. Townes)
- 1964年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
- Charles H. Townes – Facts - NobelPrize.org
- Charles H. Townes – Biographical - NobelPrize.org
- Arthur L. Schawlow – Facts - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。