個人
楊振寧
Chen Ning Yang
1922年生まれ・2025年没
何をした人か
弱い相互作用では右と左の対称性が破れているという理論を、1956年に李政道とともに打ち立てた物理学者です。
受賞理由のやさしい要約
1957年 物理学賞(賞の1/2)
いわゆるパリティの法則を鋭く調べ上げ、その成果が素粒子についての重要な発見につながったことが評価されました。李政道との2人での受賞です。受賞当時はアメリカ・プリンストンの高等研究所に所属し、1955年からそこで教授を務めていました。
同じ年・部門の共同受賞:李政道
公式の受賞理由(英語)
for their penetrating investigation of the so-called parity laws which has led to important discoveries regarding the elementary particles何が新しかったか
きっかけは、K中間子という新しい粒子のふるまいが、右と左の対称性の前提と食い違って見えるという不思議な観測でした。2人はこの前提を支える実験的な根拠を洗い直し、よく知られた過程でさえ根拠がまったくないことに気づきました。それまでの実験は、対称性が成り立っていてもいなくても同じ結果になるように組まれていたのです。
私たちの生活や社会とのつながり
授賞式の演説は、この発見によって、右と左が何を指すのかを遠い星に住む人にも実験の手順で伝えられるようになったと例えています。ただし、相手の星の原子が反粒子でできていれば、左右は逆に伝わってしまいます。そこから、反粒子は粒子と電気が逆なだけでなく、粒子の鏡像ともみなせるのではないかという見方も示されました。
関連する受賞者・団体
- 李政道同じ賞の共同受賞
1957年の物理学賞をともに受けました。
- エンリコ・フェルミ研究の継承
楊振寧は1946年にシカゴ大学に入り、そこでエンリコ・フェルミの強い影響を受けました。
- シェルドン・グラショー研究の継承
グラショーら3人の理論にとって特に重要だったのは、電磁気の力を記述するゲージ原理を一般化した楊振寧とミルズの1950年代半ばの仕事でした。
- 小林誠編集上の関連
どちらも素粒子の世界での対称性の破れに向き合った研究です。2008年の受賞解説は、1956年に楊振寧と李政道が鏡の対称性を疑ったことを最初の驚きとして紹介し、その先にK中間子の新たな破れを説明した小林・益川の理論を位置づけています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Chen Ning Yang)
- 1957年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
- Chen Ning Yang – Biographical
- The Nobel Prize in Physics 1979 – Press release (NobelPrize.org)
- Chen Ning Yang – Facts - NobelPrize.org
- Nobel Prize in Physics 1957 - Presentation Speech - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。